TOPICS一覧

【報告】企業向けフォーラム「子どもが輝く未来のために〜いま、企業にできること〜」

【報告】企業向けフォーラム「子どもが輝く未来のために〜いま、企業にできること〜」

2011/02/02

 にっぽん子育て応援団は1月20日、東京・四谷の住友生命四谷ビルで、企業向けフォーラムを開きました。

「子どもが輝く未来のために~いま、企業にできること~」をテーマに、サポーター企業をはじめとする各企業の人事・CSR担当者、NPO等、70名の方々に参加いただき、子育てする男女が活躍できる企業の在り方を探りました。


第一部 講演 「もっと気楽に子どもを育てるために もっと企業にできること」
    経済評論家兼公認会計士 にっぽん子育て応援団団長 勝間和代さん


 第一部では、「もっと気楽に子どもを育てるために もっと企業にできること」と題して、経済評論家兼公認会計士で、にっぽん子育て応援団の団長でもある勝間和代さんが講演を行いました。ご自身の経験を踏まえた話は、働きながら子育てする女性を活用しようとする意識が生産性向上につながり、社会変革にもつながるという可能性を提起しました。
 勝間さんが勤務していた外資系企業は、制度的に整備された両立支援策はありませんでしたが、子どものために早退や遅刻が必要な場合に対応して会議時刻を設定するなど、柔軟な現場対応で子育て中の女性も気兼ねなく仕事が続けられる環境となっていたことが紹介されました。そこには、ワーキングマザーも当たり前の労働力と捉え、本人の能力を仕事で最大限に発揮させようとする思想があったといいます。
 これに対して日本で広がりつつあるダイバーシティは、女性の負担軽減の色彩が強く、最終的には男女の能力差を広げる結果になっていると問題提起しました。そこから、子育てをしても不利にならない状況を作る必要があると力説。そのためには、長時間労働の解消をはじめとするワーク・ライフ・バランスを実現することで、男女ともに働きやすく子育てしやすい社会になる必要があると説きます。その際のポイントとして、個人にも社会にも生産性を上げるという視点が重要なことを強調します。さらに、子どもに予算を投じている国ほど子どもが生まれ、女性を活用する企業ほど業績が伸びているといったことも紹介し、応援団を情報交換の場とするとともに、こうした政策提言の場として活用するよう提案しました。

勝間和代さんの講演の動画はこちら
講演レジュメ(PDF)

第二部 先進企業事例発表とパネルディスカッション
事例発表&パネリスト
    日本アイ・ビー・エム株式会社 ダイバーシティ&人事広報部長 梅田恵さん
    東日本電信電話株式会社 総務人事部ダイバーシティ推進室長 古川直子さん
    住友生命保険相互会社 調査広報部CSR推進室長 山下和幸さん
コーディネーター
株式会社資生堂副社長 にっぽん応援団企画委員 岩田喜美枝さん


 第二部は、先進企業の事例発表とパネルディスカッション。日本IBM株式会社ダイバーシティ&人事広報部長の梅田恵さん、東日本電信電話株式会社総務人事部ダイバーシティ推進室長の古川直子さん、住友生命保険相互会社調査広報部CSR推進室長の山下和幸さんが、それぞれの企業での社員に対する子育て支援事業や社会貢献として子育て支援事業などを発表し、株式会社資生堂副社長でにっぽん応援団企画委員の岩田喜美枝さんがコーディネーターを務めました。


パネルディスカッション風景

 この中で梅田さんは、女性活用では先駆的であった日本IBMが子育て支援にも力を入れるようになったとして、この1月に事業所内保育施設を開設したことを紹介しました。これは、保育所が見つからないために復職できない有能な女性社員対策である点を明らかにし、同社の子育て支援施策が福利厚生ではなく生産性向上の観点で進められている点を強調しました。このほか、社会貢献の一環として女子中学生に理数系の面白さを体験してもらう「エキサイトキャンプ」、社員が教材等を寄贈した上でボランティアとしてかかわり幼児にパソコンで遊ぶ楽しさを伝える「キッズスマート」などの事業を展開していることも報告しました。

日本IBMの子育て支援策(PDF)

 古川さんは、歴史ある同社の育児休業制度の普及状況(出産する女性のほとんどが取得)と、気兼ねなく制度が使えるよう上司や当事者へ支援を行い、子育て中の社員の活躍を促すなど、ソフト面で取り組んでいることも紹介されました。また、ワーク・ライフ・バランスの観点から、生産性向上を目的とした会議の基本心得やITを活用した会議システムなどの利用促進、および育児中の女性活躍促進に取り組みはじめたところです。このほか、男性の育児参加意識を高めるために、親のあり方やコミュニケーションのとり方を学ぶペアレンティングセミナーなどを開催していることも紹介されました。

NTT東日本の子育て支援施策について(PDF)

  山下さんは、100周年記念事業として「未来を築く子育てプロジェクト」を展開していることを紹介しました。同プロジェクトとして、子育てをテーマとしたエッセイの募集や子育て支援活動の表彰、女性研究者への支援などに取り組んでいます。また、女性の活用として、ファミリーサポート転勤制度(家庭の事情に応じて希望地に転勤できる)を導入しているほか、ワーク・ライフ・バランスを推進する上での風土改革として、打合せは原則1時間にする、20時には強制的にPCの電源を落とすなどが行われていることなども紹介されました。

住友生命:弊社における子育て支援などの取り組み(PDF)

 参加者からは、ワーク・ライフ・バランスの意識を上層部に効果的に伝える方法や、働く女性の産み時への助言、企業の社会貢献としての子育て支援とNPO等との連携の在り方などの質問が出されました。
 これらに対して、トップの意識を変えるには、競争意識をくすぐるために他社の事例やデータを用いて説得するほか、外部講演者を招いたショッキングな講演会で刺激を与えるなど、手を変え品を変え説明する努力が必要との意見が出されました。また、まずは長時間労働を当たり前と考える上司らを早く帰宅させることが先決だとの声も。産み時への助言に関しては、妊娠・出産に関する科学的知識が女性自身にも不足している場合が多いことから、妊娠教育の重要性が指摘されました。実際の事例として、健保組合の担当者を招いたバースコントロールや更年期をテーマとした講演会が効果的で、女性社員を抱える男性上司にもニーズがあることが紹介されました。NPO等との協働については、複数の企業とNPOがコミュニティを作ると連携できるのではないかとの提案が出されました。

講師派遣いたします

にっぽん子ども・子育て応援団について

  • にっぽん子ども・子育て応援団とは?
  • 趣旨書
  • 企画した人たちは?
  • お問い合わせ

企業サポーター紹介

にっぽん子ども・子育て応援団に賛同する企業・団体サポーターを紹介!

企業サポーター紹介

自治体首長の子育て応援宣言

自治体首長よりコメント

自治体首長の子育て応援宣言

NPO・市民活動団体

NPO・市民活動団体を
募集しています。

応援団の応援をお願いします

ロゴ・キャラクターを広めよう
バナーをはろう

にっぽん子ども・子育て応援団

ロゴ・キャラクターに込めた想い

佐野研二郎氏より
コメント

佐野研二郎氏